- 日々と日常
- 2017.01.23
帰りたくなる場所
皆様は第二の故郷とか、たまに訪れたくなる場所をお持ちですか?
僕は大学生のころから10年くらい、東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘という街に住んでいました。
実家に住んでいたのが18年なので、今のところはその次に長く住んでいた場所です。
なので第2の故郷は多摩市であり、聖蹟桜ヶ丘だと思っています。
ちょうど、スタジオジブリの『耳をすませば』という映画の舞台となった街で、僕が住んでいた部屋もその舞台の中にありました。
(実際、それっぽいアパートが映画の中に登場します!)
時折、金曜ロードショーとかを見ると、その流れでここに住んでいた時のことを思い出します。
今では普通に生活をしているとなかなか行く機会がないのですが、先日、大学生の頃、とても仲のよかった友達から久しぶりに飲みに行こうと連絡がありました。
土曜日ですが、昼過ぎから夕方にかけて、多摩市の隣にある稲城市で打ち合わせがあると伝えると、それならその後で久しぶりに聖蹟桜ヶ丘に行こうという話になりました。
そして話している最中、お互い共通のお店を思い出しました。
聖跡桜ヶ丘にいた10年間、今ほどお酒が好きだったわけではないし、たくさんお酒を呑めたわけではないのですが、一つだけよく通っていたお店がありました。
そして、そのお店に行くことにしました。お店の名前は『まんだらや』といいます。
いつも元気な女将さんと親父さん。そして、昔からの従業員であるお兄さんの3人が中心メンバーとなって店を切り盛りしています。
料理は美味しいのですが、雑誌に載るような華やかさはありません。とっても安いと言う訳でもありません。
飲みに行くことになると、「デートで使えそうな場所を見つけに行こう」とか、「安く飲めるところに行こう」とか思いつつも、不思議と足が向くお店でした。
気が付いたら、訪問するのは5年ぶりくらいです。
仕事が終わり、聖蹟まで向かう途中少しドキドキしました。
駅に降りると、当然ですが、昔とはだいぶ変わったな~と感じました。
お店のドアを開けると、おかみさん、親父さん、そして、お兄さんが5年前?いや、10年以上昔と何ら変わらず、元気よく、声をかけてくれます。
そして、その直後、3人が声をあわせて、「ひさしぶりだね~」「よくきたね~」「げんきにしてた~?」と迎えてくれました。
通っていた頃から 名前は名乗ったことがないのと、お店の人の名前も知らないのですが、昔の顔を、今でも覚えていてくれるのがとても嬉しいです。
「懐かしい」を連呼してひとしきり近況報告などをしました。
その後は友達と昔のことを思い出したりしながら時間はあっと言う間に過ぎていきました。
ここで頻繁にお酒を呑んでいる頃は、このお店に来る理由がいまいちわかっていなかったんですけど、今回改めてわかりました。
お店の皆さんは挨拶がとても元気で、しっかりしています。しかし、元気を売りにするラーメン屋や居酒屋の様に、とにかく声を出すことが目的みたいな挨拶ではありません。
誠実で丁寧な声が大きいんです。
「俺はそんな挨拶なんて気にしない。それより旨いものだせよ」とか、
「挨拶とかお礼なんていらないからとにかく安く飲ませろよ」って言う人もいるでしょう。
そんな人だと伝わりにくいと思いますが、挨拶をお互いにできる時って気持ちが良いものなんだと思います。
で、顔をずっと覚えておいてくれるのは何よりも嬉しいですよね。
昔から何度か聞いたことのある話ですが、大学生の頃に通っていた人はいまでも東京に用事があって地方から出てきたりすると、わざわざ遠回りして飲みに寄ってくれたりするようです。
改めて飲食店の一番大事な部分を教えられた気がしました。
最近は飲食店のノウハウというかマニュアルとして、『お客様の情報を覚えておいたほうがリピーターを作りやすい』というのがあるので、一部のPOSレジでは、お客様との会話の情報とか、話の中で出た事、料理の好き嫌いなどの個人情報を入力しておいて、スタッフ全員でお客様情報を共有できるなんて機能もあったりしますが、このお店の人たちはそれがなくてもそういったことができているので、みんな自然と足が向くんだろうなと思います。
お母さん、親父さん、お兄さん ありがとうございました。
大学時代を思い出してお酒が飲めたのと、久しぶりにみなさんの気持ちの良い接客に触れられてとても楽しい時間が過ごせました。
またしばらくしたら伺いますので、宜しくお願いします。
この日はあまり思わなかったのですが、このブログを書いてたら耳をすませばの劇中で流れるカントリーロードが聴きたくなりました。
僕はCDになっているものではなくて、劇中で使われている、歌とバイオリンだけで始まって、曲が進むにつれて楽器が増えていくバージョンがとっても好きです。
以上、多摩(たま)にいきたくなる場所でした。
っていうブログを1年前の2015年の年末に書いてたんですけど、公開せずにいまして、2016年末に改めて訪問したので、載せてみました。
この記事を書いたライター
- 代表取締役 福田 大輔