本文へジャンプ
学びごと
2021.10.31

「勝てるデザイン」を読んで

https://ddnavi.com/wp-content/uploads/2017/02/taigannokanojo.jpg

こんにちは。ヨクスルのデザイナーの志村です。

最近、運用チームの佐々木さんにオススメされた、世界で話題のNetflixオリジナルドラマ「イカゲーム」を見ました。

とても面白いドラマだったのですが、結構グロテスクな内容で好みが分かれそうなドラマだと思ったので、世界中で流行ったのはなぜか考えました。私が考えた要素は3つあります。
1つめは主人公が、”なんか分からないけど、おバカでイイやつ”という応援したくなる人柄である事
2つは人間の汚いところや殺人のグロテスクな内容に溢れているのに、”ゲーム感”を与えるような音楽である事
3つめが9話完結(1シーズン)で一気見しやすい事
という点かなと思いました。

もしイカゲームが好きだった方は、「藁にもすがる獣たち」という映画があるので、是非見てみてください。
グロテスクだけど何故かポップに感じる点や、入り組んだ人間関係が生み出すストーリーがとても面白い映画でした。

 

さて、趣味の話はこれくらいにして本題に入ります。
私の文章能力を上げる為に、一ヶ月に一冊本を読んでブログを書くことになりました。
今回の本はTwitterで話題になっていた、前田高志さんの「勝てるデザイン」です。

前田高志さんについて
1997年に大阪芸大卒業後、任天堂に入社。2016年にフリーランスとして独立し、2018年にデザイン事務所「NASU」を法人化。ブログや本の執筆活動を行いながら、オンラインサロン「箕輪編集室」のクリエイターとしても活躍。現在もSNSで積極的に情報を発信し続けているグラフィックデザイナー、アートディレクター。

今回、この「勝てるデザイン」を読んで、特に私が参考になったと思う点を挙げていきます。

前田さんは「勝てるデザイン」の5つの条件を挙げていて、それを前提に話をしていきます。

「勝てるデザイン」の5つの条件

一撃で分かるデザイン

たくさんの情報量を一撃で伝えられていること。いくらかっこよくても、結局何を伝えたいか分からなければ勝てるデザインではない。

ポリシーがあるデザイン

企画内容やデザインの世界観などの”大事にすること”を明確にし、それを守り抜いているか。

ならではのデザイン

「ならではのデザイン」とは、主語が変わったら成立しないデザインのこと。aとbのクライアントがいたら、aはaのデザイン、bはbのデザインそれぞれでしか使うことのできないデザインにする。

興味を奪うデザイン

美しく、かっこいいデザインは人の目を奪うが、今は良いデザインが溢れているのでそれだけでは足りない。
ポイントは「企画力と届け方」で作ったものを届け、見る人の興味を奪うものが勝てる。

捨てられないデザイン

「デザイナーはゴミを作っている」と言われないためのデザインをする。チラシ一枚でも、飾っておきたくなるような、Tシャツにプリントして歩けるくらいのデザインにするべき。

以上の5つを満たすものが、見る人の心を掴む勝てるデザインと書かれていました。
本書では、勝率を上げるための方法について書かれています。

 

ここからは、私が特に参考になった項目について書いていきます。

デザインをするときは、自分ごとになれ

良いデザイン=幸せになる人数が多いということ。そして自分ごとになるから良いものを生むことができる。
このデザインを部屋に飾り、幸せな気持ちになるのかと考えることが大切。

例えばWebデザイナーなら、サイトを作ったクライアントは幸せか、このサイトを利用したユーザーは幸せになるのか。ということを考えることが大切なんだと思いました。

 

デザインの必殺技を増やせ

他人の脳からアイディアのエッセンスを借りる、本を読む。自分のタイプの本じゃなくても読んで、読んで読みまくって引き出しを増やし、必殺技を増やす。

必殺技の例
必殺技名:ジャパンゴールド
引き出し:朱色と金
効果:神社の色、和のイイところ。厳か、和の印象を与えることができる。

画像が無いので分かりづらいかもしれませんが、例のような自分の必殺技を作る。
面白いなと思ったのが、必殺技に名前をつけるところです。「どろりんぱ」や「ドラマチック事件」なんていうものもありました。
前田さんはデザインは楽しむものとおっしゃっているので、その考えがとても出ているなあと思いました。
また、このお話とは少しズレてるかもしれませんが、自分の勝負フォントも決めると良いとも書いてありました。
ウェブサイトだと使用できるフォントは限られていますが、その中でも勝負フォントを作るとしたら「Noto Sans Japanese」を勝負フォントにしたいです。

 

童心を育てよう

私達の仕事はデザイナーが良いとするものを納得してもらうことではなく、クライアントも心から良いと納得してもらうべき。
クライアントの「ここ、こうしたらどうなるかな?」を試して作っていく。その意見からより良いものが生まれることもあるので、やりとりを楽しむデザイナーになろう。

これに関しては予算の関係もあるので、一概には言えないと思いますが、楽しむという根底を持つことの大切さを感じました。

 

デザインする前にプレゼンを考えろ

プレゼンで話すことは「なぜそうしたか、その作品を作るに至った背景と敬意」を語るので、作る前にプレゼンするつもりでものを作る。

私がクライアントの前でプレゼンする機会はなかなか無いですが、この考え方なら、なんとなく作った」というものがなくなるので、実務で実際に作るのも有効だなと思いました。

 

デザインは、デザイナーだけのものではない

前田さんはブログを書いたりオンラインサロンでデザインをしたりされているのですが、それらを始めてから成長を感じているそうです。
その要因は二つあって、
一つは「デザインの言語化」です。あまりデザインの知識がない方に説明し、フィードバックすること
二つめは「非デザイナーの方との創作」(因みにデザイナーと非デザイナーを分けるのは嫌いと書かれています。)
デザインの専門知識がない人の発想には、ハッとさせられることが多い。

確かにデザインの知識がある人は、デザイン目線として物事を捉えることが多いので、ユーザー目線として意見をもらうことの大切さを感じました。

 

まとめ

本書を読んで驚いたことは、前田さん自身の失敗談を話されることでした。
受験に失敗した、劣等生だった、転職に2回失敗した…など全てさらけ出していたので。
けれど本書に「成功は失敗から生まれる」とあったので、まさに言葉通りだなと思い、とてもかっこいいなと思いました。
また、勝てるデザインワークとして様々な課題も記載されていて、マインドだけでなく実践的な内容も書かれている点もとても勉強になる本だと思います。
前田高志さん、ありがとうございました。

…..必殺技増やすぞー!!!!


アバター画像

この記事を書いたライター

ヨクスル株式会社

基板の窓口

基板の窓口twitter