- 学びごと
- 2021.06.08
BtoBサイト制作に役立つユーザー視点のグローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションとは
こんにちは。ディレクターの吉田です。
今回は、Webサイト制作において欠かすことのできない重要な導線設計のひとつでもあるグローバルナビゲーションについてお話していきたいと思います。
まず、「グローバルナビゲーション」とはなんでしょうか?
グローバルナビゲーションとは、Webサイトの全ページに共通で設置されるサイト内の案内メニューのことを言います。ヨクスルのサイトでいうとページ上部のこの部分です。
サイト内の主要なコンテンツがまとめられており、基本的にはWebサイトの全ページに共通して表示されます。
Webサイト全体の構成をわかりやすくすることがグローバルナビゲーションの大切な目的の一つでもあります。
BtoB向けWebサイトにおけるグローバルナビゲーション設計のポイント
BtoBのWebサイト、BtoC系Webサイト、ECサイトなど、Webサイトの目的によって、グローバルナビゲーションの設計ポイントは少し異なります。
今回は、ヨクスルでも制作することの多いBtoB向けWebサイトにおける大切すべきポイントを5つ説明してきます。
1.グローバルナビゲーションはわかりやすい位置に配置する
BtoCのWebサイト、ブランドサイトでは、デザイン性を高めるために、グローバルナビゲーションが隠されていたり一眼でわからない位置に設置されているようなサイトも見かけることがあります。
たとえば、PCサイトであってもハンバーガーメニューでグローバルナビゲーションが隠されているようなWebサイトも増えてきています。
※「ハンバーガーメニュー」とは、スマートフォンやタブレットでWebサイトを閲覧するときやアプリ操作をするときに、指で押してナビゲーションメニューを表示するボタンのことです。
しかし、BtoB用のWebサイトを設計するときには、デザイン性だけを重視したようなグローバルナビゲーション設計は行いません。
なぜなら、BtoBのWebサイトの運営目的は「資料請求」「お問い合わせ」といったユーザーからのアクションが目的のことが多いからです。
そのためには、「一目で」「誰でも」わかるように目立つ上部にわかりやすく配置することをおすすめしています。
2.グローバルナビゲーション内の項目を増やしすぎない
グローバルナビゲーションは、ユーザーが求めている情報に迷うことなく辿りつくことも目的としています。そのため、多すぎるナビゲーションの数は、あまり良い設計とは言えないでしょう。
お打ち合わせの中で、お客様から「何項目くらいが妥当なのか?」というご質問を受けることがよくあります。
その際には、「一般的に5〜7項目くらいが良い」とされているとお答えしています。
これは、アメリカの心理学者であるジョージ・ミラー氏が発見した「人が短期記憶できるのは7±2である」という理論に基づいてます。
人が覚えておきやすい数がおおよそ7個程度だということです。サイトの目的や構造にもよりますが、この理論から考えると、グローバルナビゲーションは多くても9個以下には留めた方が良いでしょう。
3.迷わせないためのグローバルナビゲーションの選定・順序
前項目で適切な項目数はわかりました。次にグローバルナビゲーションをどのように選定していけば良いのでしょうか?
設計するときの主なポイントは、下記の通りです。
- ・「ユーザーにとって重要なコンテンツ」が配置されているか
- ・閲覧してもらいたい順番に並んでいるか(左から順に)
迷わせないグローバルナビゲーション設計には、「ユーザー目線」での選定・順序立てが欠かせません。
新規ユーザーが取引先を検討するのに必要となるであろうコンテンツを想定しながら、グローバルナビゲーションを設計しましょう。
また、ユーザー目線に加えて企業側の強みとなるコンテンツや競合他社との差別化を測ることができるコンテンツを組み込むことも大切です。
4.わかりやすいグローバルナビゲーションのキーワード表記

そして、グローバルナビゲーションのキーワードと下層ページに掲載された内容の整合性も大切です。ユーザーがクリック前にイメージした内容と、遷移先のページのコンテンツが一致しないとユーザーは混乱してしまいます。
それに加えて、グローバルナビゲーションにはあまり独自性の高い名称表記は選定しないことをおすすめします。
なぜなら、一般的ではない固有の名称はユーザーにとってコンテンツの内容が想像しづらいものになり、結果クリック率が下がるからです。社内独自の用語や認知度の低いキーワードは使わない方が良いでしょう。
また、おしゃれな英語表記のグローバルナビゲーションも見かけることはありますが、BtoBのWebサイト制作でご提案するケースは稀です。
BtoBのWebサイト制作では、日本語表記で一目見て内容が想像できる方がユーザーにとって使いやすいサイトといえるからです。
5.グローバルナビゲーションはスクロールに追従させる

Webサイトの画面上の定位置にグローバルナビゲーションを固定表示させスクロールに追従させることを、追従型メニューと言います。
通常のメニューの場合、画面をスクロールすると上部のグローバルナビゲーションは見えなくなってしまいますが、追従型メニューであれば、画面スクロールさせてもグローバルナビゲーションは表示されたままになります。
追従型メニューを導入することで、ページ内のどの位置にいてもすぐに目的のメニューをクリックすることが可能となります。ユーザーが、ページ内を読み進める中で別ページへ興味を持った時に、追従型メニューがあればすぐに回遊を促すことができます。
別名、「固定メニュー」「固定表示メニュー」とも言います。
一方で、追従型メニューを設置すると、表示領域が狭くなってしまうという弊害もあります。追従型メニューの範囲が大きすぎると、本来のページ本体の表示領域がより狭くなってしまい、見てもらうべきページ内のコンテンツが閲覧しにくくなってしまいます。
そのため、メニュー追従中はできるだけ縦幅をコンパクトにすることで、ページ内のコンテンツを不用意に隠さないようにします。
また、コンパクトにしつつ、少しでもページ内のコンテンツを広く見せるための工夫として、メニュー固定表示部分を透過させ、後ろのコンテンツ部分が見えるようにするなども1つの手法です。
BtoB向けWebサイトにおけるグローバルナビゲーション設計のまとめ
BtoBのWeb制作全般に言えることではありますが、グローバルナビゲーションの設計・制作においても、ユーザー視点が最重要と言えることがわかっていただけたと思います。
「とにかくかっこいいデザインにしたい!」「他社とは差別化を図った珍しいデザインが良い!」というご要望をいただくこともありますが、BtoBのWebサイト制作では、最終ゴールが「お客様からのお問い合わせ」であることがほとんどです。
初めてWebサイトにアクセスしたユーザーでも迷わないデザイン・情報設計が非常に大切です。
ヨクスルでは、お客様の「伝えたい!」想いを汲み取りながら、
- ・ユーザーが求めている情報
- ・競合と比較した場合の貴社の強み
- ・成果に繋がるデザイン
をご提案致します。
この記事を書いたライター
- ヨクスル株式会社